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CASE

導入事例

ヤマハ発動機株式会社「ユーザーと直接会話できる関係性をメーカー主体で構築。商品の共創が叶うコミュニティ活用」

Yamahamotor

サマリー

  • [課題]
    ・ユーザーとの距離をさらに縮める活動を進めたかった
    ・メーカー自身による、ユーザーのエンゲージメントを高める取り組みができていなかった

  • [活用内容]
    ・ユーザー同士がカスタマイズや日々のツーリングについて共有
    ・製品のカスタマイズに関する悩みをユーザー同士で解決
    ・商品開発者とユーザーが直接繋がる場を提供
    ・コミュニティのロゴステッカーやショーでの展示用のヘルメットをユーザーと共創

  • [成果]
    ・ユーザーの生の声を直接聞ける環境・関係を構築
    ・オフラインイベントでは多くの社員が参加し社内を巻き込めた
    ・ユーザーと一緒に商品を作り上げる基盤ができた





ヤマハ発動機とR7について

ーはじめに、貴社の事業について教えてください。

ヤマハ発動機は、モーターサイクルを主商材としてビジネス展開をしています。ボートや船外機、発電機、ゴルフカートなどの他に、電動アシスト自転車、ロボティクスなど様々な商材を扱っています。

大型スーパースポーツバイクであるYZF-R7は、大型でありながらどんなユーザーでも扱やすいバイクです。従来の大型スーパースポーツバイクはスペックも価格も高く普段使いが難しい商材でもありました。そこで、もっとライダーが走ることの成長を感じて喜べる、かつ手軽で重すぎない、そして高すぎない価格の「ちょうどいいバイク」を作ろうとして完成したのがR7というバイクです。

ーコミュニティサイトの運用部署・体制について

主に3つの部門が運営に携わっています。主担当である私はブランドマーケティングを担当しております。ユーザーとどのように交流するかを設計し、運営実務も担当しています。商品デザインの企画を担当するプロダクトデザイン部門のメンバーは、商品への想いを語るインフルエンサーのような立ち位置でコミュニティに参加しています。また、立ち上げ当初には繋がりの薄かったユーザーとの接点を創出するため、販売代理店や販路と繋がりを持つ営業部門の力も借りました。

ーご担当者様のミッションを教えてください。

一つ目は、メーカーとユーザーと直接繋がっていく”共創型のD2C(Direct to Consumer)”という新規の取り組みを通じて、ユーザーのエンゲージメントを強化するための検証です。私たちが属するモビリティ業界ではあまり事例のない取り組みで、その中でファンをファンたらしめるのは何か、どういったところがユーザーの嬉しいポイントなのかをリサーチをしています。

二つ目は、こういった取り組みを社内外にきちんと発信をして、革新的なことに挑戦するヤマハ発動機というブランドイメージを形成していくことです。

Yamahamotor

メーカーだからこそ感じたコミュニティの必要性

ーコミュニティ立ち上げの背景を教えてください。

D2Cでユーザーと直接やり取りをすることが前提でR7のプロジェクトが始まりました。その中で「ヤマハ発動機と多数のユーザーがやり取りする交流の場が必要だ」と考えコミュニティを導入することに決めました。

ーcommmuneを導入した決め手は何でしたか。

コミューンの営業担当の方が、「コミュニティはあくまで手段であって目的ではありません。コミュニティを通じて実現すべき目的は事業目標の達成なので、そういったコミュニティを運営していくのがコミュニティプラットフォーマーとしての役割です」と何回もおっしゃっていることに共感し、コミューンさんにお願いをさせていただきました。他のコミュニティサイトの企業様とも何回も面談したのですが、そういう言葉やニュアンスがしっかり伝わってきたのはコミューンさんだけでした。

Yamahamotor

ユーザーとフレンドリーに交流できるコミュニティの場

ー貴社コミュニティ「ヤマハモーターラボ for R7」について教えてください。

メーカーの我々とユーザーがラフに直接関われる「ちょうどよい距離感のコミュニティ」です。

製品の楽しみ方についてシェアしたり、コミュニティのステッカーやヘルメット等の製品のデザインを一緒に創ったりしています。

メーカーは元々ユーザーとの間に販売会社や代理店があるため直接交流できる機会はほとんどありません。ですので、ウェブサイト上でお客様と直接やりとりするのはすこし緊張します。しかも今はSNSで失言等により企業イメージを大きく毀損しかねない時代なので投稿のプレッシャーもあるのですが、このコミュニティではユーザーと「初対面だけど友達」のように感じられる温度感でやり取りができます。

さらに、R7に情熱を持ち、開発裏話といった詳しいことを語れる社員がインフルエンサーとして参加し、コミュニティ内で限定情報を発信することで、開発者と直接話ができるのがユーザーにとって嬉しいポイントだと思います。

ー熱量の高い初期の参加者はどうやって選びましたか。

最初はコミュニティを引っ張ってくれるリーダーになりうる方をTwitterで探しました。「初めまして。ヤマハ発動機の者です。」というDMを社員から送って、快諾いただいたR7オーナー7名を集めて2週間テスト運用しました。2週間後にTwitterのDMでお声掛けして更に40名まで増やしていきました。

その後、R7の購入者全員にメールでサイトのURLを送ったり、販売会社や代理店と協力して直接DMを送付したりして、参加者を約800名まで増やしました。

ユーザーからは、「メーカー公式の場だから安心して投稿できる」と仰っていただき、開始初期から活発なやりとりが続いています。

ーコミュニティではどのような投稿がされているのでしょうか。

「R7交流部屋」というR7オーナー様の交流用トークルームでは、「ツーリングに行ってきました!」「こんなカスタムをしました!」という写真付きの投稿が想像以上に多く、その投稿数の多さに驚きました。ユーザー同士のリプライも盛んです。

「R7知恵袋」という部屋では、オーナーや弊社に質問できるのですが、投稿された質問に対してユーザーが積極的に答えてくれています。

また、弊社からショー展示用の製品やコミュニティのオリジナルステッカーのデザインに関する意見や投票を呼びかけると、毎回ユーザーからの声が集まっています。

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ーコミュニティ参加者とのやりとりで気をつけていることはありますか。

ユーザーとやり取りするときは、!マークや顔文字・絵文字をなるべく使うようにしています。コミュニティ内のやり取りはテキストベースなので、思っている温度感やニュアンスと違う方向で捉えられたり、ネガティブ要素が大きいニュアンスで捉えられたりする可能性があるので、そこを常に意識しています。

ー印象に残っているコミュニティ内の活動はありますか。

本社で開催したコミュニティ参加者限定の”ゆるっとオフ会”というイベントがとても盛り上がりました。

オフ会では、販売する外装をつけたバイクの実物を見て感想を言い合ったり、共創企画の一つでモーターショーに展示するヘルメットのデザインに投票してもらったりしました。他にも、カスタムされた外装のカスタムポイントを当てるクイズなどを実施し、どれも盛り上がりました。会自体が終わった後も​​参加者の皆さまはすぐに帰らずに、イベントに参加した社員も交えて会話が盛り上がっていましたね。オンラインでいいねやコメントなどのコミュニケーションが先にあることで親密度が生まれていたので、オフラインでの仲良くなるスピードが上がったのだと思います。

さらに良かったのが次のR7の開発担当者や、営業、マーケティングの社員などファンコミュニティに興味がある社内関係者が面白そうだと沢山来てくれたことです。ユーザーも直接エンジニアと話せるし、エンジニア側も普段絶対交流できないユーザーと話せる良い機会にもなって、社内の巻き込みという面でも非常に効果的なオフ会だったと思います。

オンラインの時代だからこそ、オフラインの価値があると実感しました。

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ーコミュニティ運営して実感されている効果はありますか。

ユーザーとの距離が近くなったことと、ユーザーと直接やり取りができるようになったことが大きな効果です。また、投稿やコメント、いいねなどのアクティブ率も高く、ユーザーがコミュニティを楽しんでくれているのも嬉しいですね。

当初の目的であった”ユーザーとの商品共創の第一歩”を踏み出せていると感じています。

ー今後の展望や目標について教えてください。

会社としてではなく個人として思っていることなのですが、コミュニティはリサーチの場所と情報収集の場所になると非常に良いと思っています。これまでもユーザーから直接意見を聞いてそれを製品に活かしてPDCAを回す流れはありました。しかし、インタビューを実施できる人数は多くありませんし、なによりメーカーとお客様の間には距離感がありました。今ではユーザーに直接DMで聞ける環境・関係を構築しているので、社内の他の部署でも真似したいという声が多いです。ですので、プロダクトをよりよい方向に持っていくための基盤としてコミュニティを活かしていきたいと思っています。

また、「ユーザーって何が本当に嬉しいの?」というところは、直接コミュニケーションを取らないと見えない部分が多いと思うので、このコミュニティで検証しつつ、今後のマーケティング施策を考えていきたいと思っています。

ーありがとうございました!


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