企業がコミュニティを運営するメリットの一つに、新規顧客の獲得が挙げられます。
近年では、デジタルチャネルが発達したことで、顧客と企業の接点が格段に増加しています。また、消費者の価値観も多様化したことで、企業から発せられるメッセージが届きづらくなっているのです。
そこで、コミュニティを形成し既存顧客との交流を活発化させることを通して、新規顧客にアプローチしていく手法が注目されています。
コミュニティ内で交わされるユーザー同士の自然な会話は、触れる人の信頼を生みやすいと言われています。自社サービスのありのままの姿を知ってもらう魅力的なコンテンツになるからです。また、コミュニティによってロイヤルティが向上すれば、自然と口コミや宣伝を行ってくれるようになります。
本記事では、コミュニティが新規顧客獲得につながる理由について、詳しく解説したいと思います。
コミュニティマーケティングとは、その名の通り、ユーザーコミュニティを活用したマーケティング手法のことです。
一般的には、「既存顧客を対象としたコミュニティ」をマーケティングに活かすことを指します。あくまでコミュニティ「を」通じて売るのであって、コミュニティ「へ」売るわけではありません。
海外、特にアメリカでは盛んに取り入れられていて、民泊マッチングプラットフォームを提供するAirbnbやインターネット関連サービスのGoogle、音楽配信サービスのSpotifyなど名だたる企業が導入しています。
例えばAirbnbでは、民泊のホストが「ゲストにより良い体験を提供」するためのディスカッションが盛んに行われており、ルールやマニュアル化できない部分をユーザー同士で教え合う場としてにぎわっています。
投稿:
『ゲストの部屋にドリップコーヒーや個包装のお菓子を用意しているのですが、手を付けない方が多いんです…ゲストが喜ぶおすすめの飲み物やお菓子はありませんか?』反応:
『見たことのない食べ物だと警戒する方も多いので、世界的に有名なブランドの飲み物やお菓子を置くようにしています!』
『ドリップコーヒーにあまり馴染みのない国の方だと飲み方が分からないかもしれないので、比較的どの国にもあるようなティーバッグだと飲んでくれると思いますよ!』
『私は世界的に有名なお菓子の日本限定の味を置いているのですが、皆さんすごく喜んでくれます!』
アメリカに比べるとまだまだ黎明期ですが、コミュニティマーケティングは日本でも広がりつつあります。例えばSHARP、カゴメ、スノーピークなどの企業でも導入されており、その注目度は日々高まっています。
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コミュニティの価値は、ユーザーのロイヤル化を進め、ロイヤルユーザーが新たな顧客を引き込んでくれることにあります。
コミュニティによってユーザーの
①ユーザー同士のインタラクティブなコミュニケーションが可能になるから
一つ目は、ユーザー同士の横の繋がりが生まれることです。すると、ユーザーは互いに課題を解決し合うことができるようになります。上述したAirbnbのユーザーコミュニティはまさにその例でしょう。
通常、最も現場感に即した情報を持っているのはユーザーです。具体的な活用方法や実際の成功事例など、日々使用するからこそ生まれる工夫や蓄積される知見があるはずです。特に、活用難易度の高いサービスや、活用の幅が広いサービスの場合は、その傾向が顕著でしょう。
こうしたマニュアルではカバーしきれないような貴重な情報を補い合えることで、利活用の度合いが高まり
また、このような”実務的な価値”だけでなく、「良さや難しさ、悩み」を共有することができるという”情緒的な価値”もあります。感情を共有することができるのは、同じ立場のユーザーだからこそでしょう。
②企業とユーザーのインタラクティブなコミュニケーションが可能になるから
二つ目は、双方向のやりとりができることによって、企業とユーザーの距離が近くなることです。例えば、情報発信一つとっても、一方通行のメルマガと、リアクションが取れるコミュニティ内の投稿では、親しみやすさが違うはずです。
また、企業への意見に対して同じ回答をもらうにしても、メールでの返答と、コミュニティ内で企業担当者から直接言われるのでは、”受けて止めてもらえた感”が違うはずです。
コミュニティによって企業とユーザーがやりとりできるようになることで、ユーザーは特別な体験ができ、
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基本的に、人は自分がよかったと感じた体験を、仲の良い人にも同じように体験してもらいたいという心理があります。そのため、特にインセンティブなどなくても、積極的に評判を広めてくれるのです。
こうした友人や知人からのおすすめの効果は計り知れません。企業のセールストークでは、メリットは理解できたものの購入しようとまでは思わなくても、知人からおすすめされた途端に「購入を考えてみようかな?」と思った経験はありませんか?
友人や知人は、普段の付き合いがあるので信頼できますし、善意で言ってくれていることがわかるので素直に受け取ることができます。結果として、他のマーケティング施策よりも圧倒的に行動につながりやすいのです。
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マーケティングファネルとは、顧客が商品を認知してから購入に至るまでの流れを図式化したものです。一般的なマーケティングの場合、「認知→興味・関心→比較・検討→購入」とフェーズが進んでいくごとに数は減っていきます。つまり、ファネルは逆三角形状になります。
一方、コミュニティマーケティングのファネルは逆です。顧客主体の情報は説得力が強く、さらにその先の顧客へと伝播していくので、新たな顧客を引き込んでいく形で拡大します。特に、現代ではSNSが発達し、個人の情報発信でも多くの人に伝わるようになりました。
そのため、「継続→共有・紹介→発信」とフェーズが進んでいくごとに、新規顧客獲得の間口はどんどん広がっていくのです。
コミュニティ内での「ユーザー同士のやり取り」や「ユーザーと企業のやり取り」は、未顧客を引きつける魅力的なコンテンツになりえます。
ユーザーが生み出したコンテンツのことを
こうした
損得勘定を抜きにした消費者目線のリアルなコンテンツであるため、信頼を感じやすいのです。また、親近感も湧きやすいと言えます。
コミュニティはUGCの宝庫でしょう。日常的なユーザーの投稿が、実は未顧客にとっては、消費者目線の「見方」や「訴求ポイント」が詰まった良質なコンテンツになるのです。
例えば、とある女性向けのD2Cファッションブランドのコミュニティでは、ユーザーが積極的に着用の感想やアドバイスなどを投稿しあっています。初めてのユーザーの多くは、「何が似合うかわからない」「アイテムを買ったもののどう使いこなせば良いかわからない」と悩んでいるでしょう。そのような未顧客にとっては、既存ユーザーの会話が、着こなしのヒントや着用後のイメージに大いに役立つのです。結果として、このブランドでは、新規顧客の多くがコミュニティ内での会話やコンテンツを見てからの流入になっています。
コミュニティマーケティングを取り入れるとメリットが大きいのはどういった企業でしょうか。以下のチェックリストで2つ以上当てはまったら、コミュニティ施策の検討をお勧めします。
①ユーザーの数が100社以上(BtoB)/1000人以上(BtoC)
ユーザー同士の交流や課題解決は、投稿者とそれに答える者のマッチングがないと価値が発生しません。そのため、ユーザーの数が多い方がよりコミュニティのメリットを享受できます。
②ユーザーの目的に共通性がある
「その商品でおいしい料理を作りたい」や「そのツールをもっと使いこなしたい」など共通の目的があると、自然とユーザー同士で情報を求め合うようになります。
③活用すればするほどメリットが増すサービスである
利用が単発、かつ利用方法も画一的なものであれば、わざわざコミュニティで交流しようとは思わないでしょう。活用の幅や難易度が高いからこそ、より互いの知見を共有し合うインセンティブが働きやすくなります。
④ユーザーがそのサービスを利用していること隠す必要がない
自ら所属感を出すことで帰属意識が生まれやすくなり、コミュニティがより盛り上がります。またオープンコミュニティ化もしやすいでしょう。
⑤利用が単発ではない、継続性がある
一度使用して終わりの商品では、わざわざコミュニティに参加して情報共有を行う意味が薄くなります。
commmuneは企業×ユーザー、ユーザー×ユーザーのコミュニケーションを円滑にし、疑問や悩みを解決したり、ノウハウを共有・蓄積することで、ユーザーのロイヤルティ向上を実現しています。commmuneを通して、コミュニティマーケティングを実践している事例をご紹介いたします。
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