「UU」とは、「ユニークユーザー(Unique User)」の略で、どれくらいの人がそのサイト、サービスを訪れてくれたのかを知るために使われます。
さらに似た言葉として「UB」がありますが、こちらは「ユニークブラウザ(Unique Browser)」の略で、サイトや企業によってはUUと同じ意味で使われることもあります。厳密には、「UU」は同一人物を排除してカウントしており、「UB」は同一のブラウザを排除してカウントしているという違いがあるので、例えばAという人物がスマートフォンとPCの両方を使って同一のサイトにアクセスした場合、「UU」は1となりますが、「UB」は2となります。
現在、個人が所有する別の端末を同一人物と紐づけてカウントするということが技術的には難しいため、「UU」と称していても実際には「UB」をカウントしていることがほとんどです。
アクティブユーザーとは、「ある期間のうちに1回以上利用があったユーザー」のことを意味しています。
Webサービスやアプリ、各種オンラインサービスにおいて、実際に現在どれくらいのユーザーがサイトを訪れ、サービスを利用しているのかを知るには、このアクティブユーザー数が役立ちます。月次、週次、日次で調べることができるので、ユーザーの利用実態を細かく把握し、自社サイトに現在どれぐらいのユーザーが来てくれているのか、リピーターがどれくらいいるのかを知ることができます。
「アクティブユーザー」と「ユニークユーザー」の違いは、「期間を設定しているかどうか」となり、ある特定の期間に訪れたユーザー数を言いたいときには「アクティブユーザー」を使い、そうではない場合には「ユニークユーザー」を使います。ただし「月間UU数」という言い方をするサイトも多数あり、Googleアナリティクス上でも「アクティブユーザー」と「ユニークユーザー」は同義として扱われるので、二つは同じ意味だと覚えても問題ありません。
DAU(Daily Active User):
DAUとは、1日あたりのアクティブユーザーのことで、SNSやニュースアプリなど毎日利用してもらいたいサービスの指標として使われます。
WAU(Weekly Active User):
WAUとは、週間アクティブユーザーのことで、サービスが習慣的に使われているかを確認したい時に使われます。
MAU(Monthly Active User):
MAUとは、月間アクティブユーザーのことで、サービスを長期間利用してもらいたい場合の指標となります。
DAU=(1日あたりのアクティブユーザー数)/(サービス登録者数)
WAU=(週間アクティブユーザー数)/(サービス登録者数)
MAU=(月間アクティブユーザー数)/(サービス登録者数)
例えば、100万人が登録しているサービスで、1日あたりのアクティブユーザーが20万人だとすると、DAUは「20万(アクティブユーザー数)/100万(サービス登録者数)」で、20%になります。
DAU、WAU、MAU毎のアクティブユーザー数は、通常は緩やかな増減となるはずです。しかし、何らかの外的要因が影響してその数が劇的に増減するホワイトノイズとスパイクノイズという数値上のノイズがあります。
ホワイトノイズは、サービス提供側に関係なく起こるユーザーの行動に起因するもので、単純に登録ユーザーの気まぐれな行動によってDAUに影響してしまうノイズのことです。
それに対してスパイクノイズは、主に提供者側の広告などの事情によってもたらされるノイズのことをいいます。新しく広告を出稿したり、その頻度を上げたりといった要因がユーザー数の一時的な増加をもたらし、それがDAUにも変化を与えてしまうのです。
DAU/MAU比率は、サービスが日常的にどれぐらいの頻度で利用されているかというアクティブさ、粘着性(スティッキネス)を測る指標のことを言います。
スティッキネス(粘着性)とは、ユーザーがそのサービスに、いかに惹きつけられ、熱中しているかを表す状態のことです。
アクティブユーザーの数が多いということは、自社サービスがユーザーにとって、正しく機能している証になります。
アクティブユーザー数を長期的に測定することによりリピーターの把握、ユーザー定着率、サービスの改善に繋げることができます。
1日あたりのアクティブユーザーを示すDAUは、サービスを毎日利用してもらいたい場合の指標となります。
具体的には、SNSやニュースアプリ、音楽配信アプリなどが挙げられます。
週間アクティブユーザーを示すWAUは、サービスの利用がユーザーに習慣づいているかを確認したい場合に便利です。
WAUを重視すべきサービスとしては、漫画や映像などを配信するような、エンタメ系のサービスが挙げられます。
月間アクティブユーザーを示すMAUは、サービスを長期間利用してもらいたい場合の指標となります。
頻繁に利用することはなくても、ときどきは利用するようなサービスにおいて、MAUは重要です。宿泊施設や飲食店の予約サービス、ゲームなどが、MAUを重視しています。
Webサイトを図る指標はたくさんあり、よく聞かれる言葉として「PV」「セッション」などが挙げられます。
PVは「ページビュー(Page View)」の略で、ページがブラウザに読み込まれた回数を意味しています。100人が1回ずつ訪れても、1人が100回訪れても「PV」は100となります。
続いて「セッション」ですが、こちらは「訪問者数」の意味で、人物の重複を排除しない、延べ人数をカウントしています。
例えば、Aさんが、同一サイトで2ページ閲覧した場合、「PV」は2、「UB」は1(≒UUも1)、セッション数は1です。
そして、Aさんが同一のページで30分以上タップやクリック、スクロールなどの操作をしなかったり、閲覧中に0時を過ぎたりした場合は、セッション数は再カウントされます。
なので、午前に一度、午後に一度ある同一のサイトを訪れ、2ページずつ閲覧した場合、「PV」は4、「UB」は1(≒UUも1)、セッション数は2となります。この場合の「DAU」は1です。
これらの数値は、アクセス解析ツールを使うことで簡単に知ることができます。
有名なサービスとしてはGoogleが提供している「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」、Adobeが提供している「Adobe Analytics(アドビアナリティクス)」があります。ここではそれぞれの特徴と実装方法について簡単に見ていくことにしましょう。
もっとも広く使われているのがGoogle Analyticsです。無料版と有料版があり、実装ハードルが低いことでも知られています。
Google Analyticsでは、UU数、PV数、セッション数、セッション時間、直帰率、流入経路、サイト内のユーザーの回遊状況などを知ることが出来ます。
直帰率とは「bounce rate」ともいわれ、1ページだけ見てそのまま離脱してしまったユーザーの割合を示しています。流入経路は、ユーザーがどこから来たかを知るのに役立つ情報です。例えば、広告バナー、SNS、外部サイト(違うサイトに貼ってあるリンクから飛んでくるパターン)、検索による自然流入、お気に入り・ブックマークなどから訪れる直接流入などがあります。
Google Analyticsは無料版でもかなりの領域をカバーできるため、多くのサイトで利用されています。
Adobe AnalyticsでもGoogle Analyticsと同様のことを調査・分析することができます。Adobe Analyticsの最大の特徴は「Analysis Workspace」です。任意の指標を画面上でドラッグ&ドロップするだけで分析することができます。現在日本でよく使われているホームページの用語はGoogle Analyticsで使われている用語であることが多いため、Adobe Analyticsを使用する際に少し用語に戸惑うことがあるかもしれません。例えば「ランディングページ」などは「入口ページ」、「離脱ページ」を「出口ページ」などと呼んだりしていますがそれぞれほぼ同じことを意味しています。
Adobe Analyticsはとにかくカスタマイズ性に優れ、柔軟性が高いことが最大の特徴ですが、その一方、導入・実装のハードルは少々高く、Webサイト上で検索できる解説サイトの数がGoogle Analyticsほど多くはないため、導入の際には専門の業者に相談するとよいでしょう。
国内の大手アプリケーションのMAU数を見てみると、LINEで8600万人(1)、YouTubeで6500万人(2)です。これらの巨大アプリに匹敵するほどのユーザー数をすぐに獲得するのは難しいとしても、少しでもユーザー数を増やすにはどうすればいいのでしょうか。ここまで見てきた分析ツールの結果をよく検討し、自社で達成したい目標、接点を強化したいユーザー層をよく見極めながら、対策を考えることが重要です。
*1
よく言われるのが検索順位を上位に上げるための施策、いわゆるSEO対策(検索エンジン最適化)です。
タイトルのつけ方、項目の分け方、サイト全体の構造・リンクの最適化を図り、良質なコンテンツを多数格納していくことが必要となります。検索エンジンのアルゴリズムは予告なく定期的に変更されるので、アップデートが行われるたびにアクセス数やユーザー数の変化を分析して、対策を講じる必要があります。
最近では、SEO対策よりもSNS対策に力を入れる企業が増えています。商品の秘密や開発担当者のコメントなど、ここでしか読めない魅力的なコンテンツを配信したり、リツイートキャンペーンやフォロワー限定のサービスの提供、あるいはライブ配信といった手法も織り交ぜながら、コミュニティを育成し、拡散を狙う手法です。
特定のユーザーに直接リーチするための手段として、さまざまな有料広告を活用することも効果的です。年齢、居住地、趣味嗜好などさまざまな属性を選択することができるので、自社のサービスに合った属性・広告メニューを選ぶようにしましょう。
Webサイトにはさまざまな指標があり、サイトの改善やユーザーの興味関心を知るのに役立ちます。
アクティブユーザー数を増やしたいのか、あるいはページビューを上げたいのか、さまざまな指標の理解を深め、自社の戦略に合った対策を練ることが重要です。無料で簡単に始められる分析ツールもあるので、是非一度自社サイトの現状をよく調べて見てください。
©️Commmune Inc. All rights reserved