※この記事は、2020年10月13日に開催した、オンライン対談「イギリス在住VCが語る企業のコミュニティ活用の最先端」の様子をまとめております。
第一部では、コミューン株式会社CEO 高田のプレゼンをご紹介します。
コミューン株式会社 CEO 高田優哉(以下、高田):皆さんこんばんは。コミューン株式会社の高田と申します。
まずは、企業と顧客のコミュニケーション間で生じる3つの課題について説明します。
1.アナログな手段に依存し、非効率であること
・訪問の移動時間の発生
・個社への電話連絡、対応
・毎回同じことを別顧客に説明
このように、現在の既存顧客コミュニケーションはアナログな手段を用い、効率が悪くなっています。
2.目的により、チャネルが分断
・営業部門は訪問
・サポート部門はお問い合わせ対応
・マーケティング部門はメルマガで新機能のお知らせ
上記のように、各部門で各顧客を対応しており、目的によってチャネルが分断しています。
3.自社→顧客の一方通行のコミュニケーションに
メルマガ配信で見られるように、既存顧客とのコミュニケーションは、企業から顧客への一方通行のコミュニケーションになっています。
この形ではお客様の声を聞くこと、継続的な関係を構築することが出来ず、顧客のエンゲージメントを高めることが困難になってしまいます。
コミュニティタッチは、先ほど申し上げた三つの課題を解決できる、有効な手段の一つです。
1.デジタル化・情報のストック化
全てのコミュニケーションをデジタル化することで、人力に依存せず効率的なコミュニケーションが可能になり工数の削減に寄与します。
また、コミュニティにおいて、企業と顧客のやりとりや新機能に関するお知らせなどが蓄積されるためストック型の価値を持ち、今後の資産価値となります。
2.チャネルの集約・統合管理
チャネルが集約されていれば、どんなお問い合わせがあるのか、新機能について顧客がどのくらい興味があるのかなど、顧客に関わる情報全てを全部門で把握することが出来ます。
すると、例えば営業部門では顧客への訴求ポイントが明確になったり、カスタマーサクセス部門でのハイタッチのサポートが効率化するなど、各部門で相乗効果が生まれます。
ユーザーさんにとっても、コミュニティがサービスに関してのポータルサイトとして機能するので、迅速な課題解決に繋がります。
※参考記事:「顧客接点のDX」-顧客接点を統合しポータル化すべき4つの理由-
3.自社と顧客の双方向コミュニケーション
コミュニティタッチは、企業とユーザーの距離、さらにはユーザー同士の距離を近づけ、それぞれにおいて双方向のやり取りを可能にします。
企業とユーザーの双方向コミュニケーションが可能になることで、従来は一方通行だった企業からの情報提供に関してユーザーと対話ができるようになったり、ユーザーからのサービスフィードバックが加速し、プロダクトの改善に寄与します。
このように、企業と顧客の共創関係の構築による付加価値を持たせることが出来るのです。
コミュニティタッチは、カスタマーサクセスの文脈で検討いただく場合が多いです。
コミュニティタッチの役割は、カスタマーサクセスをスケールすることです。
一般的にカスタマーサクセスでは、
一方で、
では、この層の顧客企業に対してサポートしなくていいかというとその逆で。実は、彼らはサービス自体を加速させてくれるアンバサダーになるポテンシャルがある、非常に重要なお客様なんですね。
顧客数がそもそも多いので、一企業あたりの単価は安いけれども売上に占める割合って大きいですし。
それに、この層の顧客企業はチャーンレートが比較的高い。こういった点を考えると、
しかしサポートを充実させるためのリソースはない。
このように「解けないパズル」が生じてしまいます。
いずれの場合にも利益を最大化するという観点でいうと、合理的な行動が存在しない。これを解決する、カスタマーサクセスをスケールする施策が、コミュニティタッチの役割です。
※カスタマーサクセスに「コミュニティ」が必要な4つの理由
コミュニティというのはすべてを加速・底上げするものであると考えています。
大きくパーツを三つに分けてお話します。
1. 企業と顧客
企業とユーザーさんのコミュニケーションを円滑にすることによって、フィードバック・情報提供のスピードを加速します。
顧客→企業のサービスフィードバックによって、開発部門のプロダクト進化に寄与しサクセスレートが向上しますし、企業→顧客への情報提供のスピードが加速することによって、タイムリーな情報発信が可能になりサポート工数が削減します。
2. (既存)顧客と (既存)顧客
ユーザー間で成功事例をシェアし合うことや、サービス活用に関する相談及び口コミによるアップセルなど、ユーザーとユーザーのコミュニケーションを円滑にすることによって、顧客のエンゲージメント向上や企業のサポート工数削減が実現します。
3. (既存)顧客と (潜在)顧客
コミュニティ自体が、未顧客を引きつける魅力的なコンテンツとなり、リードの創出やプレオンボーディングに繋がります。
例えば、コミュニティで開催されるセミナーやユーザー会の内容がSNSに流れることで、サービスや会社の認知度を上げることや、期待値の調整・すり合わせが可能になります。
また、グローバル企業の中には、商談時にコミュニティの存在を訴求することで、受注率の向上に繋げるという事例もあります。このように、あらゆるカスタマーサクセスの側面を底上げ・加速を実現するのが「コミュニティ」です。
1.中長期的な視座を持って取り組む必要
明日の解約率を改善する施策としては間違っていると思います。
中長期的な視座を持って取り組むことで初めて効果が出る、初めて意味がある施策なので、短期的な成果を期待する方にはオススメしていません。
2.全社的なコミットメントが必要不可欠
効果最大化ためには、全社的なコミットメントが非常に重要です。
コミュニティ内のやりとりされる様々なコミュニケーションを全部門で拾うことが重要であるからです。
開発部門がユーザーフィードバックをプロダクトに反映すること、CS部門が顧客に情報提供すること、営業部門はインサイトを取得し訴求ポイントに活用することなど全社的にコミュニティにコミットすることで、効果最大化を実現出来ます。
取り組むべきタイミングは、早すぎる遅すぎるっていうのはなくて、やるならやるで、今すぐ始めるべきであると思います。
1年目の価値がそのまま2年目の積み上げになるというように、早く始めれば始める程、価値の蓄積が資産になるので。
思い立ったら吉日ということで、ご興味ある方はカジュアルにご相談してください。
※コミューン株式会社をより理解できるリンク集
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