コミュニティ施策は幅広い用途で検討が推進されていますが、その中でも特に、カスタマーサクセス文脈で、
そこで本記事では、カスタマーサクセスとコミュニティの密接な関係性について解説します。
下記のような背景から、ますます多くの企業で、カスタマーサクセス、
ユーザーコミュニケーションが重要である時代背景
・ソフトウェアを中心に活用難易度の高いサービスの増加
・VOC(Voice of Customer)を反映した継続的なサービス改善に対する顧客期待値の高まり
・顧客のメディアパワーの高まり
・経営指標としての
LTV の評価
上記をご覧いただくと分かる通り、これは必ずしもSaaS(クラウド型ソフトウェアのサブスクリプション)に限った話ではありません。
カスタマーサクセスという名はついていなくとも、ユーザーエンゲージメントの最大化、顧客体験の最大化の必要性はどんどん高まっています。
※Google Trendsでの過去5年間の「カスタマーサクセス」キーワードの推移
- ▼顧客エンゲージメントについてはこちらの記事でより詳しく解説しています
「顧客エンゲージメントとは? - メリットから向上させる手法まで徹底解説!」
それでは、企業はカスタマーサクセスに対してどう取り組むべきなのでしょうか。
カスタマーサクセスは、大きく分けると【ハイタッチ】【ロータッチ】【テックタッチ】【コミュニティタッチ】の4つに分けられます。
日本では既存営業の延長線としてのカスタマーサクセスがイメージされやすく、ハイタッチが最も普及しています。
しかし本来的には、サービスの特性や顧客属性にもよりますが、それぞれのタッチを同時並行で適材適所で組み合わせることで効果の高いカスタマーサクセスが実現できます。
特にコミュニティは、コミュニティ単体としてカスタマーサクセスにおいて固有の価値を創出するのは勿論ですが、例えばコミュニティでの活動状況に応じてハイタッチの優先度を決めることで活動を効果最大化するなど、各タッチと組み合わせることで更に高い価値を創出できます。
ちなみにアメリカに目を向けると、SaaSの上場企業の時価総額Top50社のうち、45社がコミュニティ施策に取り組んでいます。それだけ、コミュニティ施策は一般化しているのです。
- ▼コミュニティタッチについてはこちらの記事でより詳しく解説しています
コミュニティタッチとは?カスタマーサクセスを実現するハイタッチ、ロータッチ、テックタッチを横断する「4つ目のタッチ」
では、コミュニティは具体的にカスタマーサクセスにおいてどんな効果があるのでしょうか?
大きく、4つの価値が創出されます。
従来型の顧客コミュニケーションは、【アナログ】で、【チャネルが分断】されていて、【フロー型】で、概して効率性が高くありません。
【アナログ】... 訪問や電話等、アナログな手段に依存
【チャネルが分断】...営業は訪問、フィードバックはCSにメール、問い合わせはサポート部門に電話、新機能のお知らせはメルマガで etc.
【フロー型】...毎回のやり取りがその場しのぎで、似たやり取りを多くのユーザーに対して行っている
カスタマーサクセス文脈でも、このように非効率性が高いがゆえに、ハイタッチ(1対1)に依存したコミュニケーションでは解けないパズルが発生しています。
ある一定の顧客セグメントについては、「ハイタッチを行い利益減しながら
更に、生産年齢人口の縮小による人件費高騰(日本は先進国の中で最も生産年齢人口割合が低い国です)、新型コロナウイルス感染症の流行等により、リアル接点に依存せず、スケーラブルな形でカスタマーサクセスをする必要性は急激に高まっています。
*日本における生産年齢人口割合は、この2000年→2020年の間に68%→58%と10%減少しており、2040年までの間に更に5%減少すると予測されています。
このような中で、オンラインコミュニティは【アナログ→デジタル】に【チャネルの分断→集約】に、【フロー型→ストック型】にすることを可能とし、顧客コミュニケーション効率を引き上げ、スケールするカスタマーサクセスを実現。
顧客接点のDXを通じすべてのユーザーに対して価値提供することが可能となり、解けないパズルを解消します。
また、ユーザー同士の課題解決が可能となることにより、1社あたりのサポート/CSコストも軽減することが可能です。
例えばコミューンを活用されている導入企業のなかでは、地域のなんでも屋さん事業をフランチャイズ展開しているMIKAWAYA21さまにて、コミューンにすべてのコミュニケーションを集約、コンテンツストレージとしても活用することで、各フランチャイズの方とのコミュニケーションを効率化し、よりよい顧客体験を実現しています。
- ▼MIKAWAYA21さまの導入事例はこちらの記事でより詳しく紹介しております
MIKAWAYA21株式会社「北海道から沖縄まで全国35店舗の加盟店オーナーが活発に会話するコミュニティづくりの秘訣」
コミュニティタッチは、企業とユーザーの距離を近づけ、ユーザー同士の距離を近づけ、それぞれにおいて双方向のやり取りを可能とします。
企業とユーザーの双方向コミュニケーションが可能となることで、従来は一方通行だった新機能に関する情報提供に対してのユーザーとの対話ができるようになったり、ユーザーからのフィードバックの取得もこれまで以上に加速できます。
また、ユーザー同士の双方向のやり取りを通じて、企業とユーザーのやり取りでは難しいアプローチでも
例えばユーザーのサービスの具体的な活用の仕方や取り組みの工夫は、本来的には他ユーザーの活用度を高めるためには非常に重要かつ効果的な情報ですが、企業がユーザーに対して価値提供を行うことは困難です。
コミュニティを通じてユーザー同士をつなげることで、サービスの詳細な活用の工夫などの貴重な情報をユーザー間で直接やり取りしていただくことが可能となります。
ユーザーの活用度 / 熱量はそれぞれピラミッド構造になっています。レイヤー間での好影響の与え合いが起こることでユーザーにとっても企業にとっても高い価値創出が期待できるのです。
例えば先日当社イベントにご登壇いただいたABEJAさまにおいては、コミュニティを通じて顧客レイヤー間で情報共有や交流が行われることにより、サクセス (活用度引き上げ)、アップセルや口コミによる未顧客リード獲得など、多面的な価値を創出しているとのことです。
また、コミューンをご活用されている導入企業の例としては、RPAを提供しているユーザックシステムさまで、詳細なRPAの設計の仕方についてユーザー間で対話をされています。
細かい設計の仕方については、カスタマーサクセス部門に相談されても解決できなかったり、必ずしも正解がない領域におけるディスカッションはサポート部門が対応しづらい領域です。コミュニティを提供することで、ユーザーさんのRPA活用をより促進することが可能となっています。
当社経営陣がcommmuneを立ち上げたきっかけは、一つ前の事業、サプリメントのサブスク(定期販売)事業にさかのぼります。サブスクリプションやSaaSのビジネスモデルにおいては、製品を常に進化させていくこと、改善していくことが極めて重要です。
その最も重要な源泉となるのが、サブスク会員の方のお声です。
しかし、立ち上げ当初でそんなにユーザーが多くなかったのにも関わらず、サプリメント通販事業の改善のためにお客様のお声を取得するのは非常に工数/コストがかかりました。
その根源には企業とユーザーの距離が問題として存在することに気づき、その解決の手段としてコミュニティ施策にニーズがあるのでは?と考えたのです。
コミュニティを活用し企業とユーザーの距離が近づくことで、顧客の声の取得において、下記の効果が期待できます。
1.ロジ面のスピードが大幅に改善
某コミューン導入企業では、〜1ヶ月程度所要した顧客ヒアリングが~1週間で完了
2. 最適な環境でフィードバック/アイデアを聞ける非同期型(時間、場所の制約を受けない)コミュニケーションなので、ユーザーにとって最適な形でフィードバック/アイデアを頂戴することができる
3. ユーザーの主体的なフィードバック企業からの発信に答えていただく一問一答形式ではなく、ユーザーの主体的なフィードバックが受領できる
4.ユーザー間の意見交換により単なるアンケート以上の示唆双方向性があるため、ユーザーのあるフィードバックに対して、他のユーザーがどう考えているのか?がよく分かる(他ユーザーの反応により重み付けができる)
このように、コスト削減効果のみならず、インパクト最大化も見込めるのは、コミュニティを通じたインサイト取得、顧客ヒアリングの大きな特徴といえるでしょう。
例えばBIツールのTableauでは、コミュニティを通じて顧客のサービス改善要望を効率的に収集し、優位性のあるプロダクト構築につなげています。なんとこれまでに、コミュニティを通じて486個もの機能が追加されています。
- ▼Tableauのコミュニティについてはこちらの記事でより詳しく紹介しております
ユーザーコミュニティから生まれた機能が486個!【Tableau】- 海外企業ユーザーコミュニティ事例集 Vol.4
コミュニティの「なか」で顧客エンゲージメントを高める取り組みを通じて、コミュニティの「そと」に対しても波及効果が創出されます。
a.コミュニティを通じて醸成されたロイヤルユーザーが、アンバサダー / エバンジェリストとなり、ライトユーザーや未顧客にとって価値ある情報提供の源泉となる。 例えば自社における活用事例を登壇・発信くださったり、サービスのおすすめをしてくださることを通じ、他ユーザーの活用度の引き上げやリード獲得につながる
b.コミュニティに蓄積されたコンテンツや人的ネットワークをマーケティングに活用することで、メディアとしての価値を産む。例えば「このサービス興味はあるけど具体的な活用のイメージが湧かないな...」という見込み顧客の方がコミュニティの過去のやり取りを見ることで、関心度合いが引き上がり、成約率が高まる
c.コミュニティという知見をシェアする場があることが自社サービスの差別化要素となり、営業部門が訴求ポイントの一つとすることができる
それでは、カスタマーサクセスにおいてコミュニティにはいつから取り組むべきなのでしょうか?
答えは、「早ければ早いに越したことはない」です。理由は3つあります。
コミュニティは、製品改善のスピードを上げます。その効果は、サービス提供初期のほうが相対的に高まります。
例えば上述のTableauの場合も、実際にサービスに反映された機能の数を時系列で示したグラフを見ると、サービスが若い段階ほどコミュニティの声が多く反映されていることがわかります。
顧客の声を注意深く聞き、顧客と共創関係を構築することにコミュニティは強力に役立ちます。
他方で、サービスがPMF (Product Market Fit) してからは、本格的にカスタマーサクセスに取り組んでいく必要があります。
その時、サービスが成長すればするほど、ハイタッチに依存することによるリスクは大きくなり、効果もどんどん限定的になっていきます。(当然、採用の観点からも難易度はどんどん上がります)
コミュニティを早めのタイミングからカスタマーサクセスの主軸に位置づけることで、ハイタッチの効果も最大化しながら、スケーラブルなカスタマーサクセスを実現することが可能となります。
以前当社イベントに登壇いただいたSansanさまの場合は、2018年にカスタマーサクセス統合管理ツールGainsightの導入と同時期に、コミュニティ施策についても立ち上げられています。カスタマーサクセスに本格的に取り組むタイミングが、コミュニティを立ち上げるベストなタイミングともいえるでしょう。
- ▼Sansanさまのコミュニティ施策についてはこちらの記事でより詳しく紹介しております
【対談】Sansanにおけるユーザーコミュニティ戦略|立ち上げ1年でユーザー間サポートが成り立つBtoBコミュニティ
コミュニティはストック型の施策です。過去のユーザーとのコミュニケーション履歴は、すべてこれからのユーザーにとってのメディア価値を持つ資産となります。
つまり、1年目より2年目、2年目より3年目...と、場所のユーザーにとっての価値が高まるのです。早く始めておけば、ユーザー基盤拡大につれてコミュニティが真価を発揮し、より一層高い価値を創出できます。
・・・
カスタマーサクセスにおけるコミュニティの価値は、以下の4つです。
・【理由1】コミュニティは、スケーラブルな形でのカスタマーサクセス実現に貢献する
・【理由2】コミュニティは
・【理由3】顧客の声をよりよく取得することができる
・【理由4】アンバサダー、カスタマーマーケティングの効果の創出
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commmuneでは専属のカスタマーサクセス担当とデータサイエンティストが両輪でコミュニティ立ち上げ、運用を支援。管理保守はコミューン社が行うため、限られた担当者リソースは戦略検討など前向きな業務に集中していただけます!
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