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【Oculus】事業フェーズに応じて運営戦略を変更 - 海外コミュニティ事例集 Vol.7

海外企業ユーザーコミュニティ事例第7弾!

今回は、オキュラス (Oculus)を紹介します!



基本情報

Oculus VR社は、VR向けヘッドマウントディスプレイの「Oculus Rift」などを開発・販売しています。先月の「Oculus Quest」「Oculus Rift S」のリリースを受けつい最近も話題になりました。

2012年にクラウドファンディングKickstarterで240万ドルの開発費を調達したことで注目され、2014年にはFacebookに30億ドルで買収されています。

今回は2013年から開設されているユーザーコミュニティについて解説したいと思います!

オキュラスがコミュニティを通じて目指しているのは、ユーザーサポートの効率化です。

今回は“Oculus Rift 発売前(2013~2015年)”を初期、“Oculus Rift 発売以降(2016年~)”を中長期としてプロダクトリリース後の時系列でオキュラスコミュニティを整理したいと思います!

サービスのフェーズに合わせコミュニティ運営の目的は

① 初期:サポートの場としてのコミュニティ育成
② 中長期:ユーザー×ユーザーの自走化を実現し

と変わって行きます!


① 初期:サポートの場としてのユーザーコミュニティ育成

サービスリリース当初はバグや不具合の報告が多く、ユーザー全員が利用初心者のため「使い方が分からない」といった軽微な問い合わせが多数寄せられます。

一方、リリース初期は人員不足やオペレーションの不備から問い合わせを捌き切れず、結果としてユーザーが置き去りとなり離れていってしまうリスクがあります。

オキュラスはこの「サポート対応しきれない問題」をQ&Aコミュニティを立ち上げることで解決しました。

オキュラスはクラウドファンディングの時点ですでに9522人もの支援者を集めており、リリース前から相当な数の問い合わせが来ることを想像していたのではないかと考えられます。

Q&Aコミュニティが解決策として最適である理由は、「 1:1 での対応に比べ、より少ない対応数でより多くのユーザーの問い合わせに答えることができる」からです。

・複数の問い合わせに対して同じ回答が応用できる

・既出の回答を見ることで疑問が解決し、問い合わせ数自体が減少する

・ユーザーが回答すると、問い合わせへの企業の回答工数がかからない

ただ、コミュニティ立ち上げ段階で最も意識すべき点は「コミュニティをQ&Aの場としてユーザーに認識してもらうこと」です。

「何か困ったらコミュニティで問い合わせをする」「コミュニティで問い合わせをすると誰かが答えてくれて解決できる」という意識をユーザーに定着させることが重要です。

オキュラスでは、ユーザーからの問い合わせは基本的にコミュニティのみで受け付けることを徹底し、ユーザーへの意識の定着を実現しました。

このようにして問い合わせ→解決の循環が生まれ、だんだんとコミュニティ内に知見が積み上がっていきます。積み上がれば積み上がるほど解決される問いが増えるため、より多くのユーザーの課題解決が可能となっていきます。

この知見の積み上げの好循環が生まれるまでコミュニティを育成することがコミュニティタッチ初期段階の鍵と言えるでしょう!

ちなみに、初期段階ではほとんどの問い合わせに対して1名のスタッフが対応しています。通常のカスタマーサポートであれば数倍の人数が必要だったのでは無いでしょうか。



② 中長期:ユーザー×ユーザーの自走化を実現

サービス提供中期になってくるとユーザー数の増加による単純な問い合わせ数の増加に加え、ユーザー理解度や問題のレベルがだんだんと分散していくため問い合わせ内容に幅が出てきます。

一方で、サービスの拡大と同じペースで人員を増やす経営判断はよほどサポートがコアとなっている事業でない限り難しいでしょう。

人員をできるだけ増やさずに今までと同じような量・質のサポートを行う必要が出てきます。

ちなみにオキュラスコミュニティでメインで問い合わせ対応しているスタッフは今もなお1人です!恐ろしい

より効率的なユーザーサポートを実現する必要性から、コミュニティはユーザー同士で問い合わせ→解決を行う場にシフトしていく必要が出てきます。

初期のコミュニティ育成が十分に果たされていれば、新規ユーザーからの問い合わせがなされても、コンテンツが蓄積していること、そして一定程度別のユーザーからの回答がなされるためスタッフは直接答える必要がなくなっていきます。

オキュラスにおいては、時間をかけて育んだユーザーが教え合う風土に加え、コミュニティへの貢献度が高いユーザーをランク付けするユーザーインセンティブも効果を発揮しました。

コミュニティが成熟し自走するようになると、サポートコストはコミュニティ巡回だけになります。こうなると、COMMUNITY ROUNDTABLEで示されているような非常に高いROIもうなずけますね。

ちなみに、初期から奮闘している1人のスタッフは通算26,000Postしていました!!



▼海外コミュニティ事例集一覧


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